
ネットで検索すれば、結婚式の映像や写真がたくさん溢れている時代ですが、国際結婚のカップルの結婚式を取り上げている情報は圧倒的に少ないですよね。
・国際結婚のカップルが実際にした結婚式を見たい!
・国際結婚ならではの問題はどう対応した?
・海外ゲストの反応はどうだった?
このような内容に興味がある方向けに、元ウェディングプランナーで国際結婚をした私が、自身でプランニングした日本での結婚式について紹介します。
知っておきたい!国際カップルの結婚式で考慮するべき基本事項についての記事はこちら

1.台湾×日本の結婚式
結婚式のコンセプトとして、日本人の私が、台湾人の夫へ嫁ぐという意味に合わせて、全体を通して、日本風から台湾風へ変わっていく様子を表現しました。
私たちの結婚式で取り入れたアイディアをいくつかご紹介します!
(1)挙式スタイル編

結婚式当日、一番初めに行う挙式に関しては、日本らしく「神前式」を選びました。
私がプランナー時代に数件だけ見た神前式に憧れを持っていたことと、台湾人の夫も日本らしい式がいいということで神前式一択でした。
結婚式場のチャペルも見学をしましたが、台湾では、キリスト教徒のみがキリスト教式を行うようなので、夫はチャペルで挙式を行うことに違和感があったようです。

挙式は、神社で行い、披露宴会場は、私の勤め先であった式場を使用しました!
(2)食事・引き出物編
【料理】
食事は会場のシェフと打ち合わせをしてベースのフランス料理に日本と台湾の要素を取り入れたオリジナルコースを作っていただきました。
台湾要素として、台湾の結婚式で食べられる「佛跳牆(フォーティアオチャン)」や「花好月圓」という料理を取り入れていただきました。





材料や作り方を調べて再現してくださったシェフに感謝です!!



料理はゲスト満足に直結するので、大切にした方がいいですよ!
【引出物】
また、台湾の「喜餅」という新郎側が新婦側ゲストへお菓子のギフトを送る文化を取り入れました。
夫の家族がパイナップルケーキをスーツケースいっぱいに詰めて持ってきてくれたのですが、私側のゲストは、通常の引出物+喜餅で盛りだくさんでした!


(3)衣装編
結婚式では、お色直しをする人がほとんどですよね。お色直しには、白から嫁ぎ先の家の色に染まるという意味があります。
なので、純白ドレス→カラードレスや白無垢→色打掛に衣装替えをしています。
私はどうしても、この意味を大事にしたくて、日本→台湾の衣装へ替わることにこだわって決めました。
① 神前式:白無垢
② 披露宴前半:ウェディングドレス
③ 披露宴後半:チャイナドレス





チャイナドレスは台湾現地でレンタルをして持ち込みました。
ドレスを抱えて持ってきてくれた夫の友人には感謝しかないです…
(4)映像編
結婚式の中では、必ず1本はムービーが流れますよね。
オープニングムービー、プロフィールムービー、エンドロールと色々種類はありますが、私たちは、1本しか準備しませんでした。
その代わり、台湾のプロカメラマンに依頼して、こだわりの1本を作っていただきました!
2人の大学時代~出会いまでをショートムービー風に仕上げていただきましたが、事前の打ち合わせや台湾現地での2日間に及ぶ撮影は、とてもいい思い出になりましたし、なによりとても素敵なムービーに仕上げてくださり、大満足でした!



結婚式の当日の映像よりも、このムービーを見返しすることの方が多いです!
(5)会場装飾、進行内容編
会場装飾では、台湾のお祝い事の際に使われるカラーの赤と漢字を使用したデザインを所々に取り入れました。


進行内容では、神前式で「だるまの目入れ」を行い、披露宴では、台湾で主流の「新郎新婦のお酌回り」を行いました。
また、余興では私の友人によるダンスを取り入れて、言語関係なく、見て楽しんでいただける内容にしました。





だるまの目入れは私の人生の中で、最初で最後の体験になりました!
1.国際結婚の結婚式で気を付けたこと


(1)一番大きな言語の問題
私たちは中国語のメニュー表のみ準備しました!


また、披露宴中の司会者の進行で必要な部分の通訳は夫が行いましたが、その他の部分は各グループで日本語ができる台湾人にお任せしていました。
司会者の言っていることが分からないと楽しめないと思われがちですが、ゲストの席の配置を気を付ければ、テーブル内での会話は問題ないですし、楽しい雰囲気の中にいると、案外言語は心配しなくても楽しんでいただけます。
また、夫の友人には日本語を勉強したことのある台湾人が多かったので、積極的に日本人ゲストとの交流も楽しんでいました。さすがフレンドリーな台湾人です!



その他、私が過去に見た国際結婚の結婚式では、日本語が分からない方に通訳用のイヤホンを付けていただいて、通訳が聞こえるようにしていました!
(2)ベジタリアン向けの食事
台湾人の中には、ベジタリアンの方がいます。通常の結婚式の料理だとほとんどを口にすることができないので、シェフにご協力いただき、ベジタリアン専用のメニューを作っていただきました。
それぞれの方で制限範囲は違うので、全員の内容を把握し、一番制限が厳しい人に合わせて、準備しました。





ベジタリアンの方から、美味しかったと感想をいただいたので、ご満足いただけたようです!
(3)結婚式のマナー
【参列衣装】
日本では結婚式参列の衣装は男性・女性ともに大体決まっていますが、台湾では、参列ゲストの衣装の決まりはなく、中には普段着で参列する人もいるようです。
台湾人ゲストには、あらかじめ日本の結婚式の参列衣装についてお知らせしましたが、やはり文化の違いがあるので、そこまで堅苦しく指定せず、好きな衣装で参加いただきました。
夫の両親もモーニングや黒留袖は着用せず、洋装で参列しました。



台湾人女性の方の中には、せっかくの機会ということで、和装で来てくれた方もいましたよ!
【テーブル配置】
日本では、両親の席は新郎新婦のメイン席から最も離れた下座に位置しますが、海外には、最前列のテーブルに配置されるという真逆の文化の国もあります。
台湾も両親が最前列に座る文化ですが、事前に日本の文化を説明し、日本の文化に合わせて、一番後ろに配席しました。初めは微妙な反応だったので、事前にご家族でしっかりお話されることをおすすめします!



私がいた式場では、韓国人と日本人の結婚式で、韓国の文化に合わせ、両親テーブルを一番前に配置している披露宴もありましたよ!
【ご祝儀】
台湾と日本では、ご祝儀金額の相場に大きく差があります。
台湾では、ご祝儀は新郎新婦との関係性によって、2000元~6000元程度の中で参列者自身が金額を決めます。
日本円に換算した場合、一番高くても3万円程度なので、最低3万円が一般的な日本のご祝儀相場は相当高く感じます。
これは、私たちが台湾人ゲストを日本に招待する上で、とても悩んだ部分でもあります。
本来の日本のご祝儀金額の相場と、私たちは一律2万円で招待したい旨をあらかじめ伝えた上で参列を決めていただきました。こちらも、それでも参列したいと言ってくれる人にはしっかりおもてなしをしようと決めていました。
結果、台湾からは16人の方が、日本在住の方も含めると計22人もの台湾人の方が参列してくださって、私自身感激したことを覚えています。



もし台湾で結婚式をしていたら、現地までわざわざ足を運んでくれる日本人ゲストはこんなに多くなかったと思うので、快く来てくださった夫の友人には本当に感謝です。
日本で黒字の結婚式はできる?日本のご祝儀・手出し金額についての詳しい内容はこちら


3.ゲストの反応


(1)結婚式をすることに前向きでなかった義父が涙!?
日本の結婚式の平均金額を知ってから、実は夫の両親は日本で結婚式をすることに対して前向きではありませんでした。
両親は、結婚式よりも家の購入にお金を使った方がいいという考えを持っていました。実際、台湾では結婚式をしないか小規模にして、家を買うという人が多い印象です。
そんな両親も最終的には私たちの意見を尊重し、参列してくれたのですが、お義父さんは当日感極まって涙していたそうです。
私たちもまさか! でしたが、両親のためにも結婚式をして本当によかったと思っています。
(2)まるでVIP客みたい?日本の結婚式に参加した台湾人の反応


台湾人ゲストからはたくさんのうれしい感想をいただきました。
特に多かったのは、席札があり、一品ずつ自分の料理が提供されて、VIPの待遇で感動した!という声でした。
確かに台湾の結婚式では、自分のテーブルは決まっているけど、自分の「席」は決まっていませんし、料理は大皿提供が多いので、新鮮だったかもしれないですね。
そのほかにも、
・神社での式は神秘的ですごくよかった!
・披露宴会場のスタッフはディズニーランドの人みたいで楽しかった!
・おそらく人生で一度になる貴重な体験をさせてもらった!
という声いただきました。
(3)最後までワクワクが続く?日本人ゲストの反応


日本人ゲストの感想もご紹介します。
親族、友人問わず、最も多かったのが、料理が美味しかったという感想でした。
・結婚式の定番のイベントがなく、最後まで次は何が行われるのかワクワクだった!
・まさかチャイナドレスだと思っていなかった!
・初めて神前式に参列したが、すごくよかった!
・台湾の子と話せて楽しかった~!
日本人ゲストにとっては、国際の結婚式というだけで、外国人ゲストとの交流や定番と違った雰囲気の結婚式を味わえるので、新鮮だったようです。
国際結婚の結婚式は、考える点も多く、準備も大変になりますが、その分ゲストに楽しんでいただける時間になりますよ!
もちろん自分たちにとっても幸福感と達成感に満ちた時間になります。



今回の記事が、国際結婚の結婚式を考えている方にとって、なにかヒントを得られる内容になっていれば幸いです!






