同じ国際結婚でも国によって必要書類や手続きが違うみたいだけど…相手が台湾人の場合はどうやるの?

この記事では、実際に台湾人との婚姻手続きの経験がある私が、台湾人との結婚手続きの方法について解説します!
国際結婚をする時に必要な手続きは2つあります。今回はそのうちの「①婚姻手続きの部分」の内容です。
全体の流れをもう一度確認されたい方はこちらをご覧ください。


この記事で分かること
・台湾人との結婚手続きはどちらの国から行う?
・それぞれのパターンの必要な書類と書類収集の方法
1.台湾人との結婚
(1)台湾人の婚姻要件


世界各国それぞれ法律で婚姻可能な年齢などの婚姻要件を定めています。
日本と台湾は、婚姻要件がほとんど同じです。
| 日本人 | 台湾人 | |
|---|---|---|
| 年齢 | 男女共に18歳以上 | 男女共に18歳以上 |
| 重婚 | 禁止 | 禁止 |
| 再婚禁止期間 | なし | なし |
また、日本と台湾共に成人年齢が18歳以上となりますので、法定代理人の同意の必要なく、
自分たちの意志で婚姻が可能です。



台湾にも日本と同じように戸籍制度があり、台湾の制度は日本人とって馴染のある部分が多い印象ですね。
(2)どちらの国から手続きをする?
どちらの国から手続きするかは、2人の居住地や提出先で求めららる必要書類の内容によって変わります。
2.日本側から手続きする方法


(1)日本での婚姻手続き
最初に、提出予定の市役所で必要書類の確認をします。
提出先の市町村役場によって、必要書類が下の2パターンに分かれることが多いです。
それぞれのパターンで手続きの流れが変わります。
| Aパターン | Bパターン |
|---|---|
| 【必要書類】 ・婚姻届 ・台湾の戸籍謄本+日本語訳 ・台湾人のパスポート ・日本人の身分証明書 | 【必要書類】 ・婚姻届 ・台湾人の婚姻要件具備証明書+日本語訳 ・台湾人のパスポート ・日本人の身分証明書 |
| 【手順】 ① 台湾の戸籍謄本の取得 ↓ ② 台湾の戸籍謄本を日本語に翻訳 ↓ ③ 市区町村役場に提出 ↓ ④ 日本の戸籍謄本の取得 | 【手順】 ① 台湾の戸籍謄本の取得 ↓ ② 台湾人の婚姻要件具備証明書の取得 ↓ ③ 婚姻要件具備証明書を日本語に翻訳 ↓ ④ 市区町村役場に提出 ↓ ⑤ 日本の戸籍謄本の取得 |



私が夫と婚姻手続きをした市役所は、Aパターンだったので、
婚姻要件具備証明書の取得の手間が省けました!
戸籍謄本も自宅印刷のもので無事受理されましたよ。
台湾の戸籍謄本の取得
台湾の戸籍謄本は、台北駐日経済文化代表処では発行できません。
台湾の戸政事務所でのみ発行できますが、ネット申請を利用すると、日本の自宅でも印刷が可能です。
婚姻手続きの中で使用する頻度が多い書類なので、あらかじめ必要枚数を把握して取得しておくことをおすすめします。
〈参考〉
日本側から手続き(婚姻要件具備証明書提出あり):必要枚数3枚
日本側から手続き(婚姻要件具備証明書提出なし):必要枚数2枚
その他、配偶者ビザを申請される方は、婚姻手続き完了後に追加で取得してください。
費用:ネット申請で自分で印刷の場合は無料。
ネット申請で郵送希望の場合や窓口申請の場合は発行手数料(15元)、郵送費がかかります。
台湾人の婚姻要件具備証明書の取得
台北駐日経済文化代表処で申請します。(全国6か所:札幌、東京、横浜、大阪、福岡、那覇)
※各代表処で管轄の都道府県が分かれていますので、事前にご確認ください。
【必要書類】
・台湾の戸籍謄本原本+コピー1部(3か月以内に発行されたもので、記載項目の省略がないもの)
・台湾人のパスポート原本+コピー1部
・在留カード原本+コピー1部(※所有者のみ)
・申請費用2300円(現金のみ)
★郵送請求・受領も可能(所要日数:1週間程度)その場合返信用レターパック準備
所要日数:1週間程度
台湾の戸籍謄本/婚姻要件具備証明書を日本語に翻訳
台湾の書類は中国語で記載されているので、日本の市役所に提出する際には、日本語訳の添付が必要です。
翻訳はご自身で行っても問題ありません。
翻訳文の最後に、翻訳者の住所と署名を記入してください。
※提出先の自治体によっては、翻訳者情報として指定の文の記入を求められることがございます。



翻訳会社に依頼した場合は、大体3,000~5,000円が相場です
市区町村役場に提出
必要書類が揃ったら、市町村役場の窓口へ提出します。
| 提出方法:婚姻当事者、代理人、郵送 提出場所:全国の市区町村役場の窓口 ※郵送の場合は 本籍地 or 住所地 |
日本の婚姻届の記入方法や提出についての詳しい内容はこちら
日本の戸籍謄本の取得
婚姻手続き完了後、約1週間ほどで婚姻の事実が記載された戸籍謄本が発行可能となります。
この後の台湾側の婚姻手続きで必要になります。
(2)台湾側へ報告的手続き
日本側の婚姻手続き完了後の、台湾側へ報告的手続きは以下の3つの方法があります。



私が婚姻手続きをしたときは、コロナ禍で渡航ができなかったこともあり、1の方法にしました!
1.婚姻当事者2人が台北駐日経済文化代表処で手続きを行う
※各代表処で管轄の都道府県が決まっています。
戸籍謄本を発行した自治体を管轄している代表処でしか認証できませんので、ご注意ください。
〔例:静岡県発行の戸籍謄本→横浜分処のみで認証可能〕
予約が必要な場合もありますので、事前にご確認ください。
【必要書類】
(日本人)
・戸籍謄本原本(要認証)+コピー2部
・戸籍謄本原本の中国語訳(要認証)
・パスポート原本+コピー3部(A4)
・中文姓名登録聲明書(要認証)
・住民票(3ヵ月以内のもの)が必要な代表処もあります
(台湾人)
・結婚登記申請書
・戸籍謄本原本+コピー1部
・パスポート原本+コピー3部(A4)
・フルネームの印鑑
・証明写真(パスポートサイズ)
・在留カード原本+コピー1部
※各代表処によって、必要書類の内容やコピーの枚数が若干違います。
必ず事前に提出予定の代表処のHPをご確認ください。
〈参考〉認証費用:¥2,300/1部(現金のみ) 2025年10月現在の料金です。
台北駐日経済文化代表処への報告手続きが完了すると、台湾の戸政事務所へ転送されます。
約1か月程度で結婚登記が完了します。
2.婚姻当事者2人が台湾の戸政事務所で手続きを行う
2-A:当事者2人揃って戸政事務所に提出
【事前に台北駐日経済文化代表処で認証が必要な書類】
・日本の戸籍謄本:発行から3ヶ月以内、婚姻記載があるもの
・日本の戸籍謄本の中国語訳
〈参考〉認証費用:¥2,300/1部(現金のみ) ※2025年10月現在の料金です。
所要日数:1週間程度
【その他必要書類】
・日本人のパスポート
・台湾人の身分証明書
・台湾人の証明写真(身分証サイズ)
・台湾人の印鑑(サインでも可)
・結婚書約
・中文姓名登録聲明書
※各戸政事務所によって、提出内容等が異なる場合があるので、事前に提出先へ必要書類の内容と、どの書類に認証が必要か確認してください。
2-B:当事者の台湾籍の方が戸政事務所に提出
【事前に台北駐日経済文化代表処で認証が必要な書類】
・日本の戸籍謄本:発行から3ヶ月以内、婚姻記載があるもの
・日本の戸籍謄本の中国語訳
・中文姓名登録聲明書
〈参考〉認証費用:¥2,300/1部(現金のみ) ※2025年10月現在の料金です。
所要日数:1週間程度
【その他必要書類】
・日本人のパスポート
・台湾人の身分証明書
・台湾人の証明写真(身分証サイズ)
・台湾人の印鑑(サインでも可)
・結婚書約
※各戸政事務所によって、提出内容等が異なる場合があるので、事前に提出先へ必要書類の内容と、どの書類に認証が必要か確認してください。
3.台湾人の代理人が台湾の戸政事務所で手続きを行う
※代理申請が可能か事前に戸政事務所に確認してください。
【事前に台北駐日経済文化代表処で認証が必要な書類】
・日本の戸籍謄本:発行から3ヶ月以内、婚姻記載があるもの
・日本の戸籍謄本の中国語訳
・中文姓名登録聲明書
・授權書(委任状)
〈参考〉認証費用:¥2,300/1部(現金のみ)
所要日数:1週間程度
【その他必要書類】
・日本人のパスポート
・台湾人の身分証明書
・台湾人の証明写真(身分証サイズ)
・結婚書約
・代理人の身分証と印鑑
※各戸政事務所によって、提出内容等が異なる場合があるので、事前に提出先へ必要書類の内容と、どの書類に認証が必要か確認してください。
3.台湾側から手続きする方法


(1)台湾での婚姻手続き
台湾での手続きは以下の2パターンから選択することができます。
必ず婚姻当事者2人が戸政事務所へ出向く必要があります。
| Aパターン | Bパターン |
|---|---|
| ① 日本の戸籍謄本の取得 | ① 日本の戸籍謄本の取得 |
| ② 戸籍謄本を中国語に翻訳 | 台湾へ渡航 |
| ③ 戸籍謄本の認証(@日本) | ② 日本人の婚姻要件具備証明書を取得(@台湾) |
| 台湾へ渡航 | ③ 婚姻要件具備証明書の認証(@台湾) |
| ④ 台湾現地の戸政事務所に提出 | ④ 台湾現地の戸政事務所に提出 |
| ⑤ 婚姻証明書と台湾の戸籍謄本を発行 | ⑤ 婚姻証明書と台湾の戸籍謄本を発行 |
Aパターン
日本人側が日本に在住で、婚姻手続きのために台湾へ渡航予定の方は、こちらのパターンがおすすめです。
【必要書類】
・結婚書約
・中文姓名登録聲明書
・日本の戸籍謄本+中国語訳(要認証)
・日本人のパスポート原本
・台湾人の身分証明書原本
・台湾人の証明写真(身分証サイズ)
・印鑑(サインでも可)
市町村役場の窓口やコンビニの他、郵送で取り寄せることが可能です。
郵送の場合は住所地 or 本籍地のみ可能です。直系親族による代理請求も可能です。
ご自身の翻訳で問題ございません。
日本国内の台北駐日経済文化代表処で戸籍謄本+中国語訳の認証を行います。
※各代表処で管轄の都道府県が決まっています。
戸籍謄本を発行した自治体を管轄している代表処でしか認証できませんので、ご注意ください。
〔例:静岡県発行の戸籍謄本→横浜分処のみで認証可能〕
〈参考〉認証費用:¥2,300/1部(現金のみ) ※2025年10月現在の料金です。
所要日数:1週間程度
婚姻当事者2人が揃って窓口に出向く必要があります。事前予約がおすすめです。
希望の入籍日がある場合は、入籍日を指定して事前に提出することも可能です(希望日の3日前までに提出)
婚姻手続き完了後、即日発行可能です。
〈参考〉戸籍謄本発行:15元/1部
結婚証明書発行:100元/1部
戸口名簿更新発行:30元
台湾人の身分証更新発行:50元 ※現金のみ。 費用はすべて2025年10月現在のものです。
Bパターン
日本人側も台湾在住の場合は、こちらのパターンがおすすめです。
【必要書類】
・結婚書約
・中文姓名登録聲明書
・日本人の婚姻要件具備証明書(要認証)+中国語訳
・日本人のパスポート原本
・台湾人の身分証明書原本
・台湾人の証明写真(身分証サイズ)
・印鑑(サインでも可)
海外から直接郵送で請求できる自治体もあります。郵送の場合は住所地 or 本籍地に請求可能です。
お急ぎの場合は、直系親族に代理請求してもらい、EMSで郵送してもらう方が早いです。
台湾現地の日本台湾交流協会(台北/高雄)にて日本人の婚姻要件具備証明書を取得します。
〈参考〉即日発行 / 費用:250元(現金のみ) ※2025年10月現在の料金です。
台湾現地の外交部領事事務局(台湾国内5か所)で婚姻要件具備証明書の認証します。
〈参考〉所要期間:2日 / 費用:400元(現金のみ) ※2025年10月現在の料金です。
婚姻当事者2人が揃って窓口に出向く必要があります。事前予約がおすすめです。
希望の入籍日がある場合は、入籍日を指定して事前に提出することも可能です(希望日の3日前までに提出)
日本での報告的手続きの際に必要となる婚姻証明書と戸籍謄本を取得します。
婚姻手続き完了後、即日発行可能です。
〈参考〉戸籍謄本発行:30元/1部
結婚証明書発行:100元/1部
台湾人の身分証更新:50元(現金のみ) ※2025年10月現在のものです。



台湾式が先行の場合は、現地渡航が必須かつ書類の認証手続きが必要なので、少し煩雑になる印象ですね
(2)日本の市役所へ報告的手続き
台湾での婚姻成立から3ヵ月以内に日本の市町村役場へ届出をします。
【必要書類】
・台湾の戸籍謄本(婚姻の事実が記載されたもの)+日本語訳
・台湾の結婚証明書+日本語訳
・台湾人のパスポート
・日本人の身分証明書
※事前に提出予定の市役所へ必要書類の確認をしてください。婚姻証明書が不要な場合もあります。
日本の婚姻届の記入方法や提出方法について確認したい方はこちらをご覧ください。


まとめ




台湾人との結婚手続きの方法は日本先行8パターン、台湾先行2パターンの計10パターンあります。
台湾先行の場合は、現地渡航が必要ではありますが、現地の手続き自体は2~3日以内に完了します。
日本先行の場合は、戸籍に登記されるまでに1週間程度かかりますので、早くても10日以上の時間が必要になります。
ビザなどの関係でお急ぎの方は、台湾先行で進められた方がよいでしょう。



台湾人との結婚手続きは、必要書類も少なく、国際結婚の中でも比較的簡単です。ご自身の状況に合わせて最適な方法で進めてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!





